REITの「負ののれん」とは?
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REIT関連の情報をみていると、たまに「負ののれん」という言葉が出てきますよね。
よくわからないのでスルーしている人も多いのではないでしょうか。
「のれん」って暖簾のこと??
「負」ってことは何かリスクがあるってこと??
そんな素朴な疑問を持っている方のために、REITにおける「負ののれん」について簡単に解説します。
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「のれん」とは無形資産価値のこと
「のれん」とは、買収される会社の純資産額と実際に買収した額の差額のことです。
買収額 - 買収される会社の純資産額 = のれん
通常、会社には「歴史」「ブランド力」「顧客」「ノウハウ」「経験」「信用」といった純資産額には表れない無形財産(無形資産価値)があるため、純資産額よりも高い(プラスアルファした)価格で買収されます。
この純資産額にプラスアルファされた金額分のことを「のれん」と呼ぶわけです。
なぜ「のれん」と呼ぶの?
なぜ「のれん」という言い方をするのかというと、無形財産のことを日本語で「暖簾(のれん)」と呼ぶからです。
「暖簾を分ける」という場合の「のれん」と同じ意味ですね。
「負ののれん」とは「マイナスののれん」という意味
のれんの意味さえわかれば「負ののれん」の意味は簡単です。
「負ののれん」とは、純資産額よりも安い価格で買収した場合に生じる会計上の利益のこと。
要するに、本来の資産額よりも安く買えた場合に発生する、いわば「得した分」ですね。
本来なら純資産額にプラスアルファされるはずの金額(のれん)が、逆にマイナスになっているということです。
つまり「負」とは「マイナス」という意味。
そのため、純資産額にプラスアルファされる場合の「のれん」を、「負ののれん」に対して「正ののれん」とも呼んだりもします。
「負ののれん」は投資家にとってメリット
「負」という言葉が入っていると何かリスクがあるかのように感じますが、投資家にとってはメリットです。
「負ののれん」は得した分。つまり買収によって生じた利益だからです。
REITではこの「負ののれん」を内部留保として積み立てておくことで、物件売却時に損失が発生した場合や増資で投資口価値の希薄化が起きた場合などに、取り崩して分配金にあてることができます。
つまり「負ののれん」の金額が大きいREITほど、分配金が安定的にもらえる可能性が高いということです。