億り人(資産1億円)になればFIREできるか考えてみた
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資産1億円。
投資をやっている人や、FIRE(リタイア生活)に憧れている人の多くが目標にする資産額です。
投資をやっていない人でも「1億円あれば遊んで暮らせる」なんて漠然と思ったことが一度はあるはず。
“億りびと”なんて造語もあるくらいですから、資産1億円を達成すること=「富裕層」「勝ち組」と考えている人が多いということでしょう。
ではなぜ人は皆、1億円に憧れるんでしょうか。
1億円あれば本当にFIREできるんでしょうか。
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完全リタイアして1億円を使い続けた場合
現実的に考えて、30歳や40歳で資産1億円を達成できる人はほとんどいないと思うので、50歳でシミュレーションしてみます。
収入なしで1億円を使い続けた場合、年間400万円使ったとすると25年後に底をつきます。
50歳から早期リタイア生活をスタートした場合なら、75歳で資産がなくってしまう計算です。
60歳からなら平均寿命に近い85歳まで暮らせるのでまず問題なさそうですが、それより若い年齢からだと、年間の支出を300万円くらいに抑えるか、もしくは月に10万円くらいの収入を得る必要がありそうです。
まぁそもそも50歳で資産1億円を手にすることができる人なら、何かしら稼ぐ能力があるでしょうから楽勝だと思いますけどね。
1億円を全て投資して配当金生活をする場合
利回り4%で運用すれば完全リタイア可能
1億円をすべて投資して税引き後利回り4%の配当金を得る場合、年収は400万円(月収で約33.3万円)です。
私が投資しているJ-REITであれば、比較的高配当な銘柄を中心にポートフォリオ形成すれば十分可能な利回りです。
1億円を投資に回さず年間400万円使い続ければ25年後に底をつきますが、この方法だと減らさずに(元本リスクを考慮しない場合)毎年400万円使い続けることが可能。つまり完全リタイアできるということです。
年間400万円ならサラリーマンの平均年収に近い金額。派手な暮らしをしなければ普通に暮らしていけますね。
40代ならまだまだ若いですし、完全にリタイアしてしまわなくても、ゆるく働いて月10万円くらいの収入を得れば、合計520万円。
適度に働いて社会との関わりを持ちながら、自分の好きなことをする時間も十分に確保できるFIRE生活をおくれます。
もちろん投資なので元本リスクはありますが、単に1億円を使い続けて年々目減りしていくよりもはるかに安心感があります。
利回り3%で運用すればセミリタイア可能
税引き後利回り3%の配当金を得る場合なら、年収は300万円(月収で25万円)です。
利回り3%のポートフォリオなら難しくありません。J-REITの高配当銘柄だけでなく株式など他の金融商品にも投資してリスク分散させても可能な利回りです。
元本に手を付けず毎月25万円が何にもせずにほったらかしで入ってくるなら、悪くない資産運用方法です。
プラス月10万円くらいの収入を得れば合計で420万円。
かるく働いて、あとは自由を満喫する。といった理想的なセミリタイア生活が可能です。
年300万円の支出で、あまりお金を使わずのんびり田舎暮らしを満喫する。なんて生活もアリですね。
5000万円を投資して残りの半分を使う場合
運用利回り4%・年間支出400万円なら完全リタイア可能
半分の5000万円を投資して税引き後利回り4%の配当金を得る場合、年収は200万円(月収で約16.6万円)です。
年間支出400万円の場合、あと200万円足りないので、残り半分の5000万円から支出していくことになります。
5000万円を毎年200万円ずつ使えば25年でなくなります。50歳から使い始めれば75歳でなくなり、その後の収入は配当金の年200万円のみになってしまいます。
そこで、投資元本を年間200万円ずつ取り崩して生活費に回せば、配当金は年々8万円ずつ減っていきますが、それほど大きく生活費を減らすことなく暮らしていけます。
75歳から投資元本を年間200万円ずつ売却した場合、10年後の85歳の時点で投資元本3000万円、年間配当収入120万円ということになります。
平均寿命に近い85歳で資産3000万もあれば十分でしょうから、この資産運用シミュレーションで完全リタイアするのも悪くはないですね。
運用利回り3%・年間支出400万円ならセミリタイア可能
半分の5000万円を投資して税引き後利回り3%の配当金を得る場合、年収は150万円(月収で約12.5万円)です。
年間支出が400万円なら、あと250万円足りないので、残り半分の5000万円から支出していくことになります。
5000万円を毎年250万円ずつ使えば20年でなくなります。50歳から使い始めれば70歳でなくなり、その後の収入は配当金の年150万円のみになります。
そこから、投資元本を年間250万円ずつ売却して生活費に回せば、配当金は年々7.5万円ずつ減っていきますが、それほど大きく生活費を減らすことなく暮らしていけます。
70歳から投資元本を年間250万円ずつ売却した場合、15年後の85歳の時点で投資元本1250万円、年間配当収入37.5万円ということになります。
平均寿命に近い85歳で1000万円以上持っていればそれほど大きな問題はないでしょうが、あと10年くらい長生きする場合もあるので少々不安もあります。
この資産運用シミュレーションであれば完全リタイアするのではなく、50代の間くらいは少し仕事をするなどして月10万円程度の収入を得ながらセミリタイア生活をおくるのがよさそうです。
1億円あれば利回り4%運用で完全リタイア、利回り3%運用でセミリタイア生活が可能
どのくらいの生活費を使うかにもよりますが、派手でも地味でもなく平均的な普通の生活が可能な年間支出400万円を前提にシミュレーションしてみました。
やはり投資をせず使っていくよりも、少なくとも半分の5000万円を運用して配当金などのインカムゲインを得るのがよさそうです。
- 完全リタイア生活をしたいなら利回り4%を目安に運用
- セミリタイア生活をしたいなら利回り3%を目安に運用し、月10万円ほどの収入を確保する
投資額に関わらず、の利回りを目安に運用すればまず問題なくリタイア生活ができそうです。
もちろん1億円を持っていればの話ですがね(笑)。
FIREする上で1億円は根拠ある金額
1億円も持ってなくてもFIREは可能です。
実際、リタイア生活やセミリタイア生活を実行している人の大半は、1億円も持っていないでしょうから。
ただし、精神的余裕を持ってお金の心配や不安を感じることなくゆとりある生活を死ぬまで続けようと考えた場合、資産1億円という金額はひとつの大きな基準と言えるでしょう。
なんとなく「億りびと」という言葉を夢物語のように口にしがちですが、若いうちから現実的な金額としてとらえておくことで、夢の1億円に手が届く可能性が高まると思います。
私自身の資産はまだ1億円に満たないですが、50歳になるまでには達成したいと考えています。
やっぱり憧れの金額ですからね。1億円って。